2011/07/31

Red Riding Hood

Red Riding Hood (2011)


若く美しい女性ヴァレリーが暮らす村の周辺には恐ろしい狼がおり、満月の夜には決して出歩いてはならなかった。村人は狼と協定を結び、動物の生け贄を捧げることで村の平和を維持してきた。そんなある日、ヴァレリーに裕福な家の息子ヘンリーとの縁談話が持ち上がる。幼なじみで野性的な魅力にあふれたピーターと将来を誓い合う彼女は、ヘンリーとの結婚を決めた両親に反発し、ピーターとの駆け落ちを決意する。ところがその矢先に、ヴァレリーの姉が何者かに殺されてしまう。狼の仕業と復讐に立ち上がる村人たち。ところが村にやって来た高名な人狼ハンターのソロモン神父は、狼が人の姿で村人の中に紛れていると言い放つ。互いに疑心暗鬼となり、村はパニックに陥ってしまう。
(By. AllCinema)






『Twilight(トワイライト 初恋)』の監督が手がけたポストトワイライト、なトワイライターの客層を狙った作品。

見た感想は、それ以上でもそれ以下でもなくて、なかなか良かった。
なめてかかってたわけではないんだけど、『ゴシック赤ずきん』とか色々言っていたので、アタシの大好きな『狼の血族』に勝ることはあり得ないと思っていたから、そこまで期待はしてなかったのね。

でも、蓋を開けてみれば、
赤ずきん仕立てにした狼人間と少女の恋愛モノには、変わりはなかったんだけど、
それだけで完結するわけではなく、
トワイライトよりもホラーというよりもサスペンス(ミステリー?)色を表に出して来ていて、蠱惑的なヴァンパイアではなく恐怖感と不安感を比べれば大きく見いだせる狼人間が題材だけに、当然の流れなのかもしれないけど。
そして、女性監督だからか、ファッション的な部分があって、薔薇の刺のような針が突き出しているスパイク状の木々の森に、コントラストを強くした場面の必要に応じて長さが自在に変化する赤いマントなんかは、ファッション雑誌の写真のよう。

ゴシックかと問われると、首を傾げはするんだけど。
ファッション写真のような世界観で、時代設定もはっきりしないおとぎ話の世界を作っているから、もっともやのかかったような暗~い幻想的なものを作ったらよかったんじゃないかな、と、ゴシックというならば。

たぶんやりすぎるとR指定になるから、できないんだとは思うけど、狼に殺されたにしたら無傷すぎる死体と、
舞台を見ている気分になるセットばりばり(それが狙いや、そういうの好きな人なら、構わないんだけど)な部分と、
せっかく雪も積もる森設定なのに、あまり寒さが感じられなかったのがちょっと残念かな。
白い息があるだけで、全く臨場感が違ったと思ったんだけど。

だけど、どこぞの盛り不覚にあるヴィレッジの家々や、教会のイラストや、トラッド感、
途中から出て来る拷問道具(装置)に、後半に出て来る辱めの仮面(拷問器具図鑑とかに一緒によく載ってる奇怪な顔をしたかぶり物のマスクで罪人なんかがさらし者にされる時に被せられていた)
なんかは、中世ヨーロッパ好きのツボを刺激するんじゃないでしょーか。
その辺りがとても、好きでした。

それから、サントラも思いのほかよくて、
アタシのジャンル外のミュージシャン、曲ばかりだから詳しいことは知らないんだけど、映画の雰囲気に非常にマッチしてました。
トラッド、ワールドミュージックあたりいける口の人は一回試聴してみたら気に入るかもしれません。

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